詩織との出会い

※※※すべてフィクションです。

初めての対面、あの日の記憶

ぼくが彼女と出会ったのはカドル。既婚者向けのマッチングアプリです。

最初に送ったメッセージや、会うまでの日々のやりとりは、ぼくたち二人だけの秘密にしておこうと思いますが、カドルで知り合ってから約1ヶ月。毎日のようにメッセージを重ね、ようやく予定を合わせて会う約束をしました。

9月の平日の夜。先にお店に入り、カドルのメッセージ機能を使って連絡を入れます。(ぼくはLINEの交換は実際に会ってからということが多く、写真交換も自分からは言い出しません。)

待ち合わせの時刻が近づくと、「着きました」という彼女からの通知が。写真を見ないまま当日を迎えていたので、期待と少しの不安が入り混じった気持ちで、入口へと迎えに向かいました。

あらかじめ服装は聞いていましたが、お店の入口付近に立っていたのは、まさにその通りと思われる女性一人だけ。すぐに彼女だと分かりました。

ベージュ色をしたノースリーブのワンピースにヒールという出で立ち。 目の前に現れた彼女を一目見て、正直すぐに見とれました。

「こんなに清楚で綺麗な女性が……」

仕事終わりということもあり、軽くアルコールを注文して、ぼくたちの「はじめまして」の夜が始まりました。

テーブルを挟んでの会話は、事前にメッセージでやり取りしていたこともあって自然に始まりました。好きな食べ物、休日の過ごし方から夫婦関係、好きな作家や本の話まで色々。

印象的だったのは、彼女が終始、非常に丁寧な言葉遣いで話していたこと。言葉の端々に上品さが感じられ、その雰囲気にすっかり引き込まれてしまった僕。そして、お互いが感じたフィーリングの良さ。 初対面のぎこちなさからだんだんと空気が調和していくのを感じ、密かな高揚感を覚えていました。

これが詩織との出会いです。

帰り際にLINEを交換し、翌日彼女から届いたメッセージがこれです。まだちょっと固さがあります。

その日以来、彼女を何度もデートに誘いました。 誘ったお店は、ホテルのラウンジなど高級感があって落ち着いて話せるところ。大切にしていたのは、すぐに身体を求めることじゃなく、むしろそれは先にしてまず心の距離を近くすることと、価値観を合わせていくこと。お互いのことを共有して少しずつ二人だけの世界を積み重ねていくような時間でした。

そして、その変化は二人のLINEのやり取りにも如実に表れていきます。

これは2回目のデートの後。ぼくが旅行の予定があったので、こんなやりとりをしていました。

旅行から帰って、3回目のデートの後のやりとり。だいぶ変わってきました。

ここまで来ればもう落としたも同然。いつでもセックスに誘える状態ですが、あえてその一歩を急ぎませんでした。彼女がどんなふうに変わっていくのか、その繊細な変化をもう少しだけ楽しんでみようと思ったから。

プラトニックすぎるデート後の帰り、駅へ向かう道すがらで並んで歩く彼女の手に、何気ないふりをしてそっと自分の手を重ねてみたり、カフェで向かい合っているとき、テーブルの下でそれとなく指先を絡めてみたり。ぼくがそうやって仕掛けるたびに、彼女は少し恥ずかしそうな表情をして視線を逸らします。それを見るたび、気持ちが昂っていくのを感じていました。

ここまでは普通に婚外恋愛ですが、ここから少しずつモードを変えていきます😁